日本の科学・技術開発とイノベーション実現の将来構想には、学術面から見て、その構造に問題があることを認識し、解決策を講ずる必要がある。
その学術的な研究を進めるにあたって手立ての一つとして欠かせないのが一次史資料であり、こうした史資料にもとづいて実証的な歴史的研究をおこなうことで、上述の学術面から見た構造的問題の解決の糸口が見出されるであろう。
この点での取り組みの仕方について、イノベーション史に関する、科学史・技術史、経営史・産業史、産業政策、等々の各分野からのアプローチの学術的検討、あるいは先駆的な史資料アーカイブの国内外の取り組みの成果を含め、検討することが考えられる。
本公開シンポジウムは、次の3点を念頭に、科学史技術史関連、経営史関連、ならびに企業資料アーカイブ関係についての報告をおこなう。
- 史的研究対象としてのイノベーションに関する共通認識の形成に向けた多面的視点からの考察・討論
- 20〜21世紀の日本におけるイノベーションの歴史に関する概括的な共通認識の形成に向けての多面的視点からの考察・討論
- 多面的なイノベーションの歴史を学ぶこと、および、イノベーションの歴史を研究することの意義・重要性
当日はフロアの意見を聴取し、議論を深めることとする。